無題

今、私は東京にいる。つい先ほど知り合いから真剣に東京脱出を勧められた。ブログなんか書いている場合ではないのだろうが、こんな不安定な気持ちで文章を書く機会など中々無いだろう。だから書いてみる。
ブログを開くと、数日前に書きかけたままのテキストが下書き保存されていた。そこには「『サッカー・パンチ』が『エンジェルウォーズ』とはいかがなものか!?」みたいな文章が熱っぽく綴られていた。…心底どうでもいい。ここ数日でまるで世界の見え方が変わってしまった。映画のタイトルごときであれだけ熱くなっていた何日か前の自分が羨ましい。
どうでもいいと言えばそもそも映画そのものがこうなってしまえばどうでもいい。平時なら多少は何かの役に立つかも知れんが、非常時には映画なんて全くの役立たずだ。
映画は無力だ。そりゃそうだろう。だが、食っていかなければならん。閉館している劇場は多いし、例え開いていてもお客さんは全く入っていない。アマゾンの出荷が停止しているからDVDは売れないし、レンタル店も閉めている店が多いのでレンタルからの収入も激減するだろう。皆さん、こんな時こそ映画を見て元気を出して、と呼びかけるべきなのかもしれない。だが、言ってる自分自身映画なんか見ている気分ではない。だが、食っていかなければならない。戦場でビタミン剤を必死で売り歩いているようなものだが。自分でも「こんなの効くわけねえや」と分かっていながら必死で売り歩くのだ。